

商取引を継続するうえで、銀行や信用金庫などの金融機関は、なくてはならない存在です。 ほとんどの中小企業が、銀行などからの借入を前提に運転資金をまわしているのが現状だからです。 しかし、業績低迷が長く続くと、借入の返済は、中小企業に重くのしかかり、会社の存続に影響するような大きな問題に発展します。 以下、中小企業でよく見られる「金融機関との交渉」の問題をQ&A形式で解説しています。 各Qをクリックすると、その解説ページに移動します。
金融機関からの借入がありますが、当面の返済が苦しい状況です。どうしたらよいでしょうか?
従前より、金融機関に適切に申入れをすれば、元金の「半年ないし1年間の凍結」、すなわち一定期間を金利のみの支払いとし、元金返済を猶予してもらえることがありました。
しかし、申入れの際に、詳細な事業計画書の提出を求められるほか、延滞金の支払いを済ませてからでないと条件変更の交渉に応じない等とする金融機関も多く、なかなか難しい交渉を強いられていました。
ところが、平成21年12月に施行された「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(いわゆる「中小企業金融円滑化法」)により、こうした債務の返済の条件変更、いわゆるリスケジュール(リスケ)は、かなり容易になってきています。
具体的には、申出をすることにより、事業計画書の提出は後回しで良いことになりました。
ですので、まずは金融機関に出向いて債務のリスケ、すなわち「元金の支払い凍結」など、条件変更を申入れてみて下さい。
なお、この法律は、平成23年3月末日までの時限立法となっておりますので、申入れは早目になさった方がいいでしょう。
ただし、このような申入れがあり、金融機関がこれを受理すれば、金融機関としては当然このような申入れをする会社に対し、今後は追加の融資を渋ることになります。
つまり、申入れをすることにより、金融機関との関係がまずくなる場合もありますから、注意が必要です。
金融機関との交渉に長けた弁護士に相談することをお勧めします。
運転資金が苦しいので、銀行から500万円借りようと思っています。私には資産がないため、銀行からは、不動産を持っている妻の父を、連帯保証人とするよう求められました。妻の父は高齢なので心配です。大丈夫でしょうか?
よく保証人になってもらう際に、「形式的なものだから」とか「迷惑はかけないから」と、安易な説明をして相手を説きふせる人がいますが、これは大きなトラブルの原因となります。
保証人とは、債務者(あなたの会社)が借金を返済できないときに、代わりに借金を返済する義務のある人なのです。会社経営は何が起こるかわかりません。将来保証人として責任を負う覚悟がない人に保証人を頼んではいけません。
そうしたリスクをきちんと説明し、納得してもらった上で連帯保証人になってもらえるのなら、それはそれでよいと思います。
10年来のつきあいのあるメインバンクから、社長の私がプライベートで契約している定期預金の解約を断られました。なんとかこの定期を解約し、会社の運転資金に回さないと取引先への支払いができません。どうしたらいいでしょうか?
まずあなた個人の定期預金は、あなたの会社の借入の担保に入っていませんか?もし担保に入っているならば、解約することはできません。
しかし、担保に入っていない場合にも、銀行はときとして、この例のような代表者個人の定期預金の解約を拒むことがあります。それはあなたの定期を、会社への貸付金の担保として勝手にあてにしているからです。
もちろん解約拒否には何の根拠もありませんから、銀行に解約を求めることができます。その際は、銀行の定める約款の何条に基づいて解約拒否しているのか説明させてみましょう。銀行側が説明できないなら、解約せざるを得なくなるでしょう。
この問題に限らず、法律がかかわる交渉ごとは、主張の根拠を約款など契約書できちんと示せた方が勝ちです。あなた自身がそのような交渉ごとに慣れていて、約款を読みこなし、銀行が約款に矛盾するような主張をしたとき、それを指摘できればご自分で交渉することができます。そのような交渉事は苦手だと考える方は、弁護士などの専門家に交渉を委ねて下さい。