G弁護士ブログ(30代男性、@新宿区)

BtoC企業必見!改正消費者契約法による”サルベージ条項の無効化”で、契約書の見直しが急務に

L.A.P.中小企業顧問弁護士の会の弁護士のGです。

今回は、BtoCビジネスを営む企業様に深く関わる「消費者契約法」が改正されたというお話をします。

今回の法改正により、多くのBtoC企業様が、お客様との契約書や利用規約の条項を見直す必要がございますので、ぜひお目通しください。

L.A.P.中小企業顧問弁護士の会よりご紹介する30代男性弁護士(新宿区)のプロフィールです。
G弁護士(新宿区・30代男性)

1.BtoCビジネス企業に深く関わる消費者保護法(消費者契約法)の改正

企業活動においてどれだけ真摯に取引先に接していても、取引先とトラブルになることはあります。
しかし、できる限りそのようなトラブルは避けたいですよね。

その際に不当な不利益を被ることがないようにするのが、私達弁護士の役割の一つです。
もちろん、予めトラブルを発生しづらくすることも弁護士の役割ですし、顧問弁護士と契約するメリットの一つといえます。

私も、様々な業種の顧問先から、顧問弁護士として法律相談をお引き受けする機会があるBtoCビジネスの企業様から多く御相談いただくのが「消費者契約法等の消費者保護法」に関連する内容です

事業者間の契約であれば、契約自由の原則から、事業者同士がお互いに納得した内容で契約を締結することができます。

一方、BtoCつまり事業者と消費者間の契約においては、消費者保護のために、消費者が契約時に納得して契約書に署名したとしても、消費者保護法によって無効になってしまうことがあるのです。

BtoCビジネスを営まれている経営者様はよくご存知のように、消費者保護を目的とする法律は消費者契約法だけではありません。

それ以外にも様々な法律が制定されていますから、経営者の皆様がその全てを把握することは簡単ではありません(ですので、私もこのテーマでの法律相談を多くお引き受けしています)。

そして、消費者保護法の中心的な法律ともいえる「消費者契約法」が2022年に改正され、2023年6月1日に改正法が施行されました。

今回は、その中でもいわゆる「サルベージ条項」の無効化に関する改正内容について解説させていただきます。

 

2.事業者の損害賠償責任を限定する「サルベージ条項」とは?

サルベージ条項」という用語を聞いたことはありますでしょうか。

サルベージとは、本来的には難破船等を救助する際に用いられる単語です。
そこからの援用で、「サルベージ条項」とは、「本来的には無効になってしまいそうな契約上の定めについて、その定めを活かすために置かれる条項」を意味します。

典型的な内容としてはたとえば、

「甲は本取引によって発生した損害について一切の責任を負わない。ただし、甲の免責範囲は、法律の許容する範囲に限られる。

といった定めのうち、下線部のような内容を「サルベージ条項」といいます。

このような「サルベージ条項」が用いられる理由について、消費者契約法の第8条を確認してみましょう。

消費者契約法

(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)
第8条1項
 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
1号 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項

2号 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項

3号 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項

4号 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項


分かりにくい表現ですね。

この8条は「消費者に対する損害賠償責任から事業者が不当に免れることのないように設けられた規定」です。

しかしながら契約書上、どのように条項を定めればいいのか一見しただけでは分かりにくいと思います(そして、引用は省略しましたが、この条文には2項もあるのです)。

 

このように分かりづらい表現なので、経営者の皆様からすると消費者契約法を潜脱する気はなくても、同法を遵守するための契約書の案文を考えるのが面倒になってしまうことでしょう。

ですので、経営者の皆様が

「損害賠償責任は負いたくないけど、消費者契約法に違反したくはない!でも、どのような定めにすれば、消費者契約法に違反しないのか分からない!」

という考えに陥ってしまった際に、

「ならば、『法律の許容する範囲に限る』と定めておけば、法律に違反しない範囲で、損害賠償責任を限定することができるのではないか。」

という発想になりそうですよね。

これが、サルベージ条項が置かれるようになった背景です。

ですので、「サルベージ条項」は、本来的には「法律には反しない」範囲の契約書としたいという事業者側の意思も感じられる条項にも感じます(中には、消費者を騙す趣旨で用いるような悪徳業者もいるのかもしれませんが)。

3.改正消費者契約法により「サルベージ条項」が無効化される

ここまで述べてきたように「法律には反しない」ようにするために考え出された「サルベージ条項」ですが、今回(2023年6月)の法改正の前から問題視されてきました。
なぜでしょうか。

それは、「法律の許容する範囲」という定めでは、損害賠償が限定される範囲があいまいなためです。

つまり、消費者側からすると、その範囲を理解することが難しいため、結局、事業者の損害賠償がどの範囲で免責されているのかが分からないまま契約を締結することになるからです。

このような問題点があったため「サルベージ条項」に関する法改正がなされました。
先ほどの条文に3項が新設されたのです。

 

消費者契約法

(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)
第8条3項
事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものを除く。)又は消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものを除く。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する消費者契約の条項であって、当該条項において事業者、その代表者又はその使用する者の重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていないものは、無効とする。

 

またまた分かりづらい表現ですが、これは「損害賠償責任の一部を免除する条項については、事業者側の代表者や従業員による重大な過失を除く過失によって生じた損害についてのみ適用されることを明示した条項でなければ有効にならない」ということです。

したがって、「法律の許容する範囲」と定めただけでは、適用される範囲が明らかになっていないことから、その条項は無効になってしまうのです。

条項が無効になるとどうなるでしょうか?

ポイント

損害賠償責任の範囲を限定する条項全体が無効となってしまうため、損害賠償責任の範囲を限定する内容として、本来であれば消費者契約も有効と考えている軽過失によって生じた損害についての免責も得られなくなってしまうのです。

これは事業者にとって大きな問題です。
つまり、これまでに「サルベージ条項」を契約書や利用規約の条項として設定していた企業様は、早急に契約書等を見直す必要があるのです。

 

4.まとめ〜サルベージ条項のある契約書の見直しは顧問弁護士にご相談を

いかがでしたでしょうか。
未然にトラブルを防ぐために損害賠償責任の範囲を限定する条項を設けたはずなのに、その条項が無効となってしまうのでは、契約書を作成する意味が大きく損なわれてしまいます

一方で、法的に有効な契約書の内容とするためには、消費者保護法に関する知識が必要になります。
しかも、消費者保護法等については、社会情勢の変化に伴い、その内容の改正 が多く行われる可能性の高い分野といえます。

不安に思われる点があるようでしたら、是非顧問弁護士と契約することをご検討いただければと思います

また、今回の法改正は、今回解説させていただいた問題点以外にも、大きな改正がありますので、BtoCビジネスを営む経営者様で御不安を感じている方は是非御気軽に御相談いただければと思います
(了)

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