中小企業の顧問弁護士をしていると、よく契約書のチェックを求められます。
「相手方からこうした取引契約の締結を求められたが、問題はないか」と聞かれることが多いです。
今回は、経営者が契約書チェックにどうかかわり、弁護士に相談すべきかについてお話します。
契約書に関する具体的な質問には具体的に返答できる
こうした場合、抽象的に「契約書の内容を見てください」と言われても、どうしても答えは抽象的にならざるを得ません。
出来れば契約書の内容を自分なりに読み込んで、「こうした点が懸念されるが問題はないか」など、具体的な指摘をいただいた方がより詳しく回答できます。
もちろん、そうした場合でも、弁護士としてはすべての条項に目を通しますが、やはり抽象的な質問には抽象的に、具体的な質問ほど具体的な返答となるのは避けられません。
この点、よく私は”占い師の相談に似ている”と話すことにしています。
占い師に手相を見せて「私の人生はどうですか?」と聞いても「まぁまぁですね」と回答されてしまうでしょう。
これに対し、「今の会社の仕事を続けて良いか?」とか「計画している事業は今進めた方が良いか?」などと質問すれば、「しばらく今の会社に留まった方が良い」とか「事業は今こそ拡大すべきだ」等、具体的な回答がくるはずです。
我々弁護士の業務もこれと似ていると言えるでしょう(ただし、弁護士は法律知識を前提に回答するので「当たるも八卦当たらぬも八卦」ということはありませんので、念のため)。
契約書には、当事者にしか気づけない問題もある
それにつけても、よく思うのは、中小企業の社長さんにも最低限、契約書は一読して欲しいということです。
よく「自分は契約書を読めないから丸投げする」といってメールをいただくことがあります。
ご本人は弁護士に任せたから契約書を読まなくて済むと考えておられると思いますが、これはとてもリスクがあります。
契約書はあくまで一般的な条項を並べただけです。
そこに書いてあることが現実の取引でどのような問題があるかというのは、業務を行なう当事者でなければ気が付かないことがあります。
だからこそ、面倒でも契約書には目を通して欲しいのです。
確かに、法学部に入る前の私も、初めて契約書(どこかの駐車場契約だったと思います)を見せられたとき、当事者が甲だの乙だの、また、管理会社が丙だの、いろいろな記号のようなものが羅列されて、何が何だか分からずとても苦労したことがあります。
ですから中小企業の経営者の皆さんが契約書を読みたくないと言うのも理解できます。
契約書には”型”がある
とはいえ、どんな契約書でも1つの型が決まっています。
その型さえ把握出来ていれば、それほど読み込みは難しくないのです。
どういうことかと言うと、契約書ではまず、一般的な条文の並べ方というものがります。
まず、最初の方で「契約の目的」が書かれます。
その次に「契約代金」や「契約期間」、「契約不履行の場合の損害がいくらとなるか」の規定が続きます。
さらに「契約終了時の取決め」、また、「契約がどういった場合に終了するか」といった規定があります。
こうした契約の始まりから終了までがざっと羅列された後に、トラブルになった場合、どの裁判所で解決するかといった規定があって、エンディングとなります。
そこで、契約の目的、代金、契約期間や終了の際の取決めくらいは、ざっとでも確認してもらいたいのです。
慣れてくればそうそう難しいことではないので、是非やってみてください。
そのうえで、どうしても理解出来ないことは弁護士に聞けばよいと思います。
私も参加しているL.A.P.中小企業顧問弁護士の会では、こうした契約のチェック等を、安価な顧問料でいつでも行なう顧問弁護士をご紹介していますが、弁護士を有効に使うためにも、是非上記の件、お考えいただければ幸いです。
(了)
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\ 頼もしいベテラン!安心感が違います /
千代田区(東京駅近く)にて開業中のA弁護士(男性)。学習院大学卒。
弁護士より:『経営者は孤独。お一人で悩む日々を過ごされた方も多いと思います。 私はそんな孤独な中小企業経営者に寄り添い、なんでも相談できる存在でありたいです』
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