L.A.P.中小企業顧問弁護士の会 事務局ブログです。
突然ですが、「予防歯科」という言葉をお聞きになったことはありますか?
「予防歯科」とは、虫歯治療のために歯科を受診するのではなく、虫歯ができないように定期的に歯科を受診することをいいます。
今回はこの「予防歯科」を例に、そこから得られる中小企業経営のヒントについてお話したいと思います。
国をあげて予防歯科に取り組んだスウェーデン
まず「予防歯科」について少しお話しします。
「予防歯科大国」として有名なのは北欧のスウェーデン。
同国と、日本の歯科事情を比べてみると驚きの差があります。
・予防歯科に取り組んでいる人
日本 26%
スウェーデン 69%
(ライオン調査:2013年)
・70歳の残存歯数
・日本 16本
・スウェーデン 21本
(厚生労働省:歯科疾患実態調査, 2005年)
予防歯科が、年を取ってからの残存歯数に影響を与えていますね。
スウェーデンはもともと、国民の虫歯罹患率は日本並みに高かったそうです。
しかし歯は一度失えば再生しませんし、歯周病が糖尿病や認知症のリスクを高めることも広く知られるようになってきました。
それを重く見たスウェーデンでは、国が主導して1970年代から予防歯科に注力してきた結果が上記のデータなのです。
予防歯科の取り組みは、中小企業の危機管理に通じる?
なぜ顧問弁護士に関するブログでこんな話をしたかというと、これはそっくりそのまま「顧問弁護士」による「予防法務」につながると思ったからです。
「予防歯科」を、「企業経営」における「顧問弁護士」による「予防法務」に置き換えてみましょう。
「顧問弁護士」による「予防法務」とは、
問題が起きてから弁護士を探して相談するのではなく
問題が起きないように定期的に顧問弁護士に相談する
ことです。
顧問弁護士は、「かかりつけ医」のように、
・中小企業の経営や運営でいつか問題の芽となりうるほころびはないか
・経営者が知らずに過ごしている間に進行している問題はないか
をチェックするのです。
顧問弁護士の活用で廃業率が下げられるかも
法律の専門家である顧問弁護士に、何かあったらすぐに相談する体制を作り、もし何もないと思っても定期的に対話をすることで、問題を早期発見しアドバイスしてもらう。
そうすることで、会社が倒産などの重篤な危機に陥らないような健全経営を実現できるのではないでしょうか。
年商一億円未満の会社に顧問弁護士がいる比率はわずか6.9%(*1)、一方、創業後10年の廃業率は70%を越えると言われています(*2)。
もし「すべての中小企業に顧問弁護士」がいたら、「2ヶ月に1回でも弁護士に気軽に相談できる」体制が作れたら、中小企業の廃業率は劇的に下がるのではないでしょうか?
中小企業庁様、もし本気で廃業率を下げ、開業率を上げたいと思ったら、「中小企業の創業時から顧問弁護士を持ち、定期的に相談すること」に公費を使えませんかね?
この施策には本当に効果があると思いますがいかがでしょう。
*1:中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書 東京弁護士会2006年
*2:中小企業白書・中小企業庁2006年
(了)
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