店舗経営者や責任者の皆様、床に落ちた商品や、雨の日の入口マット、清掃直後の濡れた床を見て——「転びそう」「危険だな」と思ったことはありませんか?
店舗運営ではお客様の安全に気配りし、基準を整える運用が大切です。
とりわけ2〜5店舗規模で現場任せになりやすい店舗では、「どこまで配慮すべきか」「何を基準に動くか」が曖昧になりがちです。
今回は、いわゆる「天ぷら裁判」を具体例に、店舗に求められる「安全配慮義務」の要点をやさしく整理し、日常の事故防止策と万が一の事故時の対応の考え方をお伝えします。
結論として大切なのは、
①予見できる危険に備える
②その備えを運用記録として残す
③事故時の初動対応を決めておく
の三点です。
店舗の責任者が何をすべきかが明確になるよう、L.A.P.中小企業顧問弁護士の会の弁護士Fが分かりやすく解説します。

“天ぷら裁判”から学ぶ店舗の安全配慮義務
事案の概要:店舗での転倒事故/「天ぷら裁判」
いわゆる「天ぷら裁判」は、レジ前通路に落ちていた惣菜(かぼちゃの天ぷら)を来店客が踏んで転倒し負傷した、店舗の安全配慮義務が問われた店内事故の事件です。
事故は2018年4月12日19時30分頃、東京都練馬区のスーパーマーケットで発生しました。
この店の場合、惣菜は大皿から客がトングで取りパックや袋に入れてレジへ運ぶセルフ方式で、当時は混雑時間帯でした。
当初、店舗はこの来店客に約6万円を支払いましたが、その後、来店客が2019年に損害賠償を求めて提訴しました。
一審の東京地裁は、2020年12月8日、店舗側に約57万円の支払いを命じました。
判決は、天ぷらの落下自体は利用客の誰かによるものとしつつも、販売方式と混雑状況から店側は惣菜の落下について予見可能だと評価し、混雑時にはレジ周辺の安全確認を強化すべきと判断しました。
一方で、来店客の足元不注視も認め、過失を5割相殺しました。
その後の、控訴審では「レジ前通路は(中略)見通しが良く(中略)、顧客に対する安全配慮義務として(中略)、(店舗側に)特段の措置を講じるべき法的義務があったとは認められない 」と整理し、店舗側が逆転勝訴しました。
詳しくは下記の記事をご覧ください。↓
【店舗側勝訴確定!】経営者の皆様、顧客の事故防止策に具体的に取り組んでいますか?〜”天ぷら裁判”からの教訓〜
(2022年4月21日に上告不受理で確定しています)

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店舗の安全配慮義務の3つのポイント
この「天ぷら裁判」から学ぶべき安全配慮義務として、店舗側が押さえるべき要点は三つです。
第一に、売場特性・時間帯・天候から、危険を具体化して予見することです。
第二に、注意掲示・マット・巡回・清掃を標準化し、実行と記録を一体で運用することです。
第三に、事故発生時の対応を平時から定めておくことです(これは本記事では実務的に重要な観点として補足します)。
これらについて次の章でもう少し詳しく見ていきましょう。
店舗の安全配慮義務とは何か?
店舗における安全配慮義務とは、
店舗内の予見可能な危険を可視化・明文化し、
それに対する合理的な備えを講じ、
その備えを日々の運用と記録で裏付けること
をいいます。
① 予見可能性を具体化する(店内の危険を“見える化”)
売場特性・時間帯・状況などを組み合わせ、「どこで・いつ・何が起きやすいか」を言語化し、朝礼や引継ぎで“今日のリスクと行動基準”を共有しましょう。
特に危険な箇所や状況として、段差、雨天時の入口・レジ前の滞留、床濡れ、落下物、などがありますが、ここでは例として雨天時を想定しましょう。
雨天時には、入口マット周辺やマットの先の濡れた床、濡れたスロープ、レジ前通路の滞留に注意し、
・雨が降り始めたらマットを追加して「注意掲示」を出す
・床が濡れたら、その一帯を一時的に区画して誘導する
といった具体的な切替基準をスタッフに伝えます(この“予見→備え”の整理は、「天ぷら裁判」一審判決でも重視された観点です)。

② 事故防止対策の標準化と“運用+記録”の一体化
そして、「誰が・どこを・どの順で対策するか」を決め、事故防止手順として、雨の日などの注意掲示や、店内巡回、清掃、連絡先等の手順をバックヤードに一覧で掲示しましょう。
掲示や巡回・清掃は、その手順どおりに実施し、運用後は記録簿に【時刻/担当者/場所/状況/対処】をチェックして残します。
後からいつでも情報を追えるように整えておくことが重要です。
③ 事故時の初動対応を定めておく(救護→保全→記録→連絡→再発防止)
万が一の事故発生時に備え、初動対応フローと連絡先(店長・本部・保険など)をバックヤードに掲示しておきましょう。
また事故が起きた場合の初動対応の手順は下記の通りです。
①救護を最優先に行います。
②保全の際は、二次事故を防ぐためにコーンや注意サイン、テープで危険箇所を囲います。
③記録の際は、時刻・場所・床面状態・注意掲示等の有無を事実確認し、広角と近接の写真を撮ります。
④連絡は、所定の連絡先に順に行います。
⑤再発防止としては、当日中に行う一次対応(掲示の増設、導線の仮変更など)と、翌営業日以降に実施する恒久策(基準の見直し、設備配置の変更、教育の更新など)を分け、責任者と期限を明確にします。
清掃は保全と記録が済み、安全が確保できた範囲から行います。
店舗の安全配慮義務の基本・まとめ
ここまで、安全配慮義務の基本の流れとして、
「店内の危険を予見する」
「日常の事故防止策を回す」
「万が一の場合の初動を整える」
を確認してきました。
何をすべきかの要点は整理できたのではないでしょうか。
月額1万円の顧問弁護士という選択肢:基準づくりと運用の伴走者
とはいえ、店舗責任者や経営者は日々多忙です。
そして、常に現場にいるからこそ見落としやすい盲点もあります。
そんなときに、基準づくりを一緒に整え、運用を継続的にブラッシュアップする相談役がいたらどうでしょうか。
実は、顧問弁護士は月額1万円で依頼できる時代です。
貴店舗の「安全配慮義務対策の伴走役」としてご検討ください。
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L.A.P.中小企業顧問弁護士の会の月額1万円の顧問弁護士に相談できること(例)
たとえば、
✔️ 雨天時の注意掲示は十分か、行動基準は妥当か
✔️ 事故発生時、お客様への声かけや案内のしかた
✔️ 事故時に残すべき写真や記録の範囲、社内報告の要点
✔️ 保険会社とのやり取りで主張が通らない場合の対応方針
✔️ 安全配慮義務以外の課題(従業員・顧客トラブル、クレーム対応、契約書チェック など)
こうした疑問に、すぐ相談できる専門家がいるだけで、現場の迷いはぐっと減ります。
(*すべての問題を月額1万円の顧問料で相談、解決できるわけではありません)
顧問料1万円の顧問弁護士についてのQ&A
Q1:月額1万円で本当に顧問弁護士を雇えますか?
A1:はい。当会は2009年より、月額1万円で契約できる顧問弁護士を無料でご紹介しています。まずは弁護士との無料面談で相性をご確認ください。顧問契約後は、日常のご相談や安全配慮義務対策の整備を継続支援します。
Q2:どんな弁護士を紹介してもらえますか?
A2:弁護士キャリア10年以上で、中小企業の法務に詳しい弁護士をご紹介します。お申込み時に弁護士の指名も可能です。契約前の相性確認面談は無料です。
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まとめ:安全配慮義務の備えがある店舗は、万が一の時に迷わない
安全配慮義務は、現場の負担を増やすためのものではありません。
万が一の事故を減らし、現場が迷わず対策できる基準を共有することです。
危険を予見し、事故防止対策を日々運用し、万が一の際の対応を整える——そのサイクルを、まずは貴店舗の実情に合わせて言語化してみてください。
一つ一つの作業を積み重ねることで、確実に店舗の安全配慮対策を講じることができます。
必要に応じて、月額1万円の顧問弁護士を味方に付け、基準づくりと運用の改善を継続できる体制を整えていきましょう。
貴店舗のさらなる安心・安全を一緒に考えていければ幸いです。
(了)
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記事を執筆したE弁護士プロフィールと当会のご案内
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新宿区(新宿御苑駅近く)にて開業中の40代女性・F弁護士。早稲田大学卒。
弁護士より:『お話をじっくり伺うことを最も大切にしております。 経営者様のストレスを減らし、業務に専念できるお手伝いができればと思います』

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