E弁護士ブログ(40代男性、@新宿区)

弁護士業務ペーパーレス化への遠い道のり

2021年2月25日

書類の束

経営者の皆様、御社のペーパーレス化、捗っていますか?

申し遅れました。L.A.P.中小企業顧問弁護士の会弁護士のEです。

世間では、かなり前から仕事のペーパーレス化が叫ばれていますね。
コロナ禍でテレワークが推進された結果、世の中のペーパーレス化はまた一段と進んだのではないかと思います。

業務の効率化、とりわけデジタル化には大賛成なのですが、私の業務処理は全くペーパーレス化が進んでいません
その理由はいくつかあります。

 

最大の理由:紙の書類でないと一覧性が確保できない

裁判が紙の書類で行われるというのも大きな理由なのですが、最大の理由は、紙の書類でないと、一覧性が確保できないという点にあります。

契約上のトラブルを理由とした裁判において、こちらの言い分をまとめた書面を裁判所に提出するケースを例にしますと、書面をつくる際には、

①紛争の相手方とはどんな取り決めだったのか
②何がトラブルの原因になったのか
③事実関係について、依頼者はどう認識しているのか
④相手方の言い分はどんな内容なのか
⑤言い分が食い違っている部分はどこか
⑥それぞれの言い分について、証拠はあるのか
⑦争いになっている部分について、法律や判例はどんな考え方をしているのか

といったことを考えながら書面を作ることになります。

そうすると、大体のケースで、

①先方との契約書
②依頼者に送ってもらった成果物の写真
③依頼者からのメールやヒヤリングのメモ
④相手方が裁判所に提出した書類
⑤争点に関する自分の整理メモ
⑥相手方とのメールやファックスのやりとり
⑦六法や判例集

あたりを同時並行で参照しながら作業を進めることになります。

 

紙で印刷し机上に並べて作業するのが効率的

仕事を進めるには、これらの資料それぞれを一覧できるかたちで俎上に乗せる必要があるのですが、現状では「それぞれを紙のかたちで印刷して、会議用の大きなテーブルに並べて作業をする」というのが、結局、一番効率的なのです。

少し前に仕事用のメインPCを買い替えた際、ディスプレイをかなり大きなものにし「これでウチもペーパーレスだ」とほくそ笑んだのですが、現在は「机より大きな作業台など存在しないのだよ」という悟りの境地に至っております。

というわけで弊所のペーパーレス化は遅々として進んでおりません。

地球環境を考えれば忌むべき仕事術なのかもしれませんが、良い書面を作って裁判に勝てれば弊所のお客様には優しい結論となりますので、どうかご理解ください。

(了)

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新宿区(新宿御苑駅近く)にて開業中の40代男性・E弁護士。上智大学卒。

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