こんにちは。
L.A.P.中小企業顧問弁護士の会、弁護士のDです。
いつもブログをお読みいただきましてありがとうございます。
今回は、『紛争の解決方法として、交渉での解決が良いか、訴訟での解決が良いのか』
について書いてみたいと思います。
交渉or訴訟は「いつ・どのような観点」で判断すべきか
争い事が生じた場合、
一般的には、まずは当事者間で解決に向けて話し合いをして、話し合いでは解決が見いだせない場合になって、訴訟提起に進むかを検討されると思います。
しかし、より良い解決のためには、交渉で解決すべきか、訴訟に進むべきかについては、「いつの段階」で「どのような観点」から判断すべきなのでしょうか。
まず、本題に入る前に、私の個人的な見解としては、争い事はできるだけ交渉でまとめたほうが良いと考えています。
お互いが譲歩しあうことにより、円滑な人間関係やビジネスの関係が築けると思うからです。
交渉で解決するメリット
さて、本題に入ります。
まず、争い事を交渉で解決するメリットとしてはどのようなことがあるでしょうか。
紛争の原因には、
・当事者の間で意思疎通がうまくいっていない
・些細な誤解から問題がこじれてしまった
ということも往々にしてあります。
このような場合には、話し合いを通してこれらの原因を明らかにしていけば、相手の言い分を理解し受け入れることができるようになることもあります。
その結果、交渉により争い事を解決した場合には、その後も両当事者は、従前の関係を続けていけることが多いといえます。
また、交渉で争い事を解決できれば、下記に述べるような
「訴訟の場合にかかる時間・労力・費用が節約できる」
メリットがあることは言うまでもありません。
他方、どうしても譲れない点があって争いになっている場合には、訴訟提起へと進まないと納得できないと思うこともあるでしょう。
しかし、納得できないという思いだけで訴訟へと進む前に、以下のような観点から、訴訟へと進むかべきか否かを今一度検討していただければと思います。
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民事訴訟は時間、費用及び労力がかかる
民事訴訟になれば、一般的には、数か月から数年という年月がかかります。
(借入の返済を滞っているために訴訟提起をされた事案等のように、事実関係に争いのない案件等を除きます)
また、裁判所へ納める訴訟費用や弁護士費用がかかります
(弁護士費用は訴訟案件を弁護士に依頼した場合)。
弁護士を頼まずご自身で訴訟対応をするなら、書類作成、証拠の収集・提出、裁判期日の出廷等の労力がかかります。
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訴訟を有利に進めるだけの証拠を持っているのか
民事訴訟では、裁判官が独自に事案を調査し、真実を探し出し結論を出してくれるものではなく、このような主張と立証の責任は当事者である原告と被告にあります。
そのため、各当事者はご自身の言い分を法的に整理して主張し、その裏付けとなる証拠を提出しなければなりません。
訴訟で勝訴できるかは、この主張の整理と裏付け証拠の提出が鍵になります。
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判決により白黒がつき両者の関係が決裂する
訴訟に進むと、両者の仲は相当にこじれており、訴訟審理の中では、お互いがご自身の主張を繰り返し、相手方の弱点を探すことに終始し、相手方の主張を受け入れる気持ちが軽減し、仲は一層悪化していくのが一般的です。
そのため、判決後は両者の関係は断絶してしまうことが多いといえます。
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結論:交渉か訴訟かは、初期の段階で判断すべき
以上のことから冒頭の問題の結論を述べますと、争い事が生じた場合には、初期の段階で、「交渉で解決するか」「訴訟で解決するか」をまず検討することが重要です。
具体的には、
・訴訟になった場合の見通し
・証拠の有無
・訴訟にした場合のメリット・デメリット
を検討して、これらをもとに交渉の優位性や戦略を考えるのです。
これらの検討の中で、争い事を交渉でまとめるべきか、訴訟で解決すべきかが、見えてくると思われます。
このような検討や判断にあたっては、専門家である弁護士のアドバイスを得ることが有益であると思われますので、争い事が生じましたら早めに弁護士にご相談ください。
(了)
記事を執筆したD弁護士プロフィールと当会のご案内
\ 温厚で話しやすいがアドバイスが的確 /
港区(六本木駅、赤坂駅近く)にて開業中の50代女性・D弁護士。英文法務にも対応。
弁護士より:『気軽にご相談いただけるよう、気さくな雰囲気を大切にしております。 ご相談者様と共に考え、ご満足いただける解決策を導けるよう心がけています』
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