「見くびられている」がゆえの不当要求
L.A.P.中小企業顧問弁護士の会の弁護士のEです。
常日頃、中小企業の社長様からのご相談に乗らせていただくのですが、その中でよく見る構図に、「取引先から不当な要求や、無茶な取引条件を迫られている」というものがあります。
不当要求の背景を探ってみますと、「先方がこちらの法的知識を見くびって、法的に正しくない要求を呑ませようとしている」というケースが多いように思います。
そこで今回は、「顧問弁護士を導入した場合、このようなケースに対して弁護士がどのような形でお役に立てるのか?」をご説明いたします。
不当要求へのはじめの一歩は、「弁護士の存在を認識させること」
不当な要求に対する対応策の「はじめの一歩」は、「自社に顧問弁護士がいる事実を、先方に認識させる」ことです。
具体的な方法については、事務局コーディネーターの中川が以前記事を書いています。
『理不尽なクレームや要求をこれ以上エスカレートさせない魔法のひと言とは?』
こちらに書いてある「魔法のひと言」を唱えていただいても結構です。
また私がお客様にお勧めしている方法としては、「取引先とのやり取りのメールをCCで顧問弁護士に同送し、先方にもその旨を伝える。」というものです。
取引先が理不尽なことをメールで言い出したタイミングで、こんなメールを送るのです。
「本件に関するやり取りについてですが、『言った言わない』にならないよう、今後はメールにて行わせていただきたく存じます。
念のため、今後のメール送信の際には、弊社顧問弁護士(〇〇法律事務所〇〇 〇〇弁護士)にも同送させていただきますので、この点併せてご承知おきください。
情報共有の観点から、御社からのご返信の際にも、宛先全員宛に返信していただけますと幸甚に存じます。」
こうしたメールを送っておくと、それだけでピタリと不当要求が止まることがあります。
なお、このようなメールでピタリと不当要求が止まった理由は、「先方が不当な要求を、不当と知りつつ押し付けていたから」にほかなりません。
それでも食い下がってくる場合の対処法は?〜セカンドステップは「対案の提示」
もっとも、不当な要求をしてくる取引先の中には、「弁護士の存在を認識させてもまだ食い下がる」方もいらっしゃいます。
そんなときに先方が言ってくる決まり文句は「(契約書案等の)内容に未満があるなら対案を出してください」と言うものです。
「顧問弁護士がいる」と伝えても、「法的な対抗策まで練ってくるわけはない」と高を括っているわけです。
そんな時は顧問弁護士に相談し、先方に対案をぶつけましょう。
コストを抑えつつ「対案の提示」まで行うには
その際、弁護士に対して漫然と「当社はどんな対案を出したらいいでしょうか?」という相談をするのは賢明ではありません。
弁護士はその業界のプロではないことが多く、その業界でどのような契約条件が妥当なのかは、各社の社長様の方がきちんと判断できるためです。
もちろん弊所の場合、「弁護士と相談しながら決めていきたい」というご要望にも対応しております。
ただその場合、相談対応に費やすタイムチャージが余計に発生してしまうことになります(この点は、どの弁護士でも共通なのではないかと思います)。
ですからまずは、御社がどんな契約条件であれば呑めるのか、という御社の希望条件を自社内できちんと詰めましょう。
その上で顧問弁護士にご相談いただくのがベターです。
固まった希望条件をどのような表現で契約書に落とし込むのか、は弁護士が得意とするところですので、弁護士にご依頼ください。
(余談)「対案を出せ」と言ってくる方に限って…
なお私のこれまでの経験では、上から目線で「対案を出してください」と言ってくる方に限って「対案など作れるはずがない」と考えているらしく、こちらが対案を出すとすっかり大人しくなってしまい、以後の不当要求も減少することが多いように思います。
取引先からの不当要求に対抗するためには、是非、顧問弁護士をご活用ください。
(了)
記事を執筆したE弁護士と当会のご案内
\ 落ち着きと安心感、頼もしい! /
新宿区(新宿御苑駅近く)にて開業中の40代男性・E弁護士。上智大学卒。
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