D弁護士ブログ(50代女性、@赤坂)

副業・兼業解禁~中小企業が講じるべき3つの対策〜(D弁護士、女性)

2019年3月11日

時計時間

こんにちは。
L.A.P.中小企業顧問弁護士の会弁護士のDです。
いつもブログを読んでいただきましてありがとうございます。

今回は、最近、話題の働き方改革の一つである「副業・兼業解禁」を取り上げ、
副業・兼業解禁~中小企業が講じるべき3つの対策〜
というテーマでお話しします。

「副業・兼業」を解禁することによって、貴社の労務管理にどのような影響があるかをご理解いただけると思います。

 

副業・兼業解禁の背景

従来、多くの会社で副業・兼業は禁止されていました。

その理由は、日本の雇用は終身雇用制度であり、会社が従業員に対し「職務専念義務」を課していたためであると解されます。

また、会社としては、副業・兼業による
会社情報の漏洩や目的外使用」
「競業・利益相反等のリスク
」を懸念していたためです。

しかし、従業員側からすれば、労働時間外の自由な時間の使い方についてまで、会社からとやかく言われたくないと考えます。

また、転職の可能性を考えれば、従業員にとっては色々なスキルを身につけたり、視野を広げることも重要になります。

そこで、これからの時代は、

従業員がハッピーな人生を送るための選択を自らしていき、
会社としてはそのバックアップをする責務がある

のだと考えなおしていく必要があると思います。

 

副業・兼業解禁~中小企業が講じるべき3つの対策〜

副業・兼業が解禁となった背景は上記の通りですが、では実際問題として、中小企業経営者は何に留意すべきなのでしょうか。

中小企業が講じるべき対策を3つにまとめました。

1 会社は労働時間の管理を徹底しましょう

従業員が副業・兼業先で雇用されて働く場合には、

自社における労働時間と、
副業・兼業先の労働時間が通算
されますので(労働基準法第38 条)
会社としては通算された労働時間の把握・管理が必要になります。



なお、従業員が副業・兼業を個人事業主としてやる場合には、労働時間の通算はありませんが、下記の2の観点から(従業員の健康に留意するため)、やはり副業・兼業における労働時間の把握は必要となります。

 

2 安全配慮義務に留意しましょう

会社は従業員に対する安全配慮義務を負っています(労働契約法5条)。

万一、従業員に疾病が発生した場合、自社の業務によるものか副業・兼業の業務によるものかの区別に備え、

会社としては日頃から

従業員の副業・兼業の内容、労働時間や働き方を把握しておく必要

があります。

 

3 従業員に競業避止義務や守秘義務等の遵守を徹底させましょう

就業規則では、従業員の職責や競業避止義務や守秘義務等を含め、従業員としての遵守事項が規定されています。

そのため、副業・兼業を開始するときには、

従業員に会社への届け出、誓約書(就業規則の遵守等を約するもの)

の提出を求めましょう。

 


以上、副業・兼業解禁にあたって、中小企業が講じるべき3つの対策を簡潔に述べました。

副業・兼業解禁は、単に「認めれば良い」のではないことをご理解いただけたと思います。

この問題について、貴社が実際にどのように運用すべきかについてはぜひ経験豊富な弁護士にお問い合わせください。

(了)

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